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運用報告書&目論見書を読んでみよう~ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)~

免責事項

この記事は 2020/5/6 時点での内容で記載しています(コロナによる影響を無視するため)。内容が古い可能性があります

本記事は個人投資家の勝手な評価ですので絶対に正しいとは言い切れません。

本記事中のグラフは特に記載がない限り、ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)の運用報告書が出典となります。

はじめに

分配金目当てで購入してしまった投資信託「ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)」[1]について改めて目論見書と運用報告書を読んでまとめてみます。

同じように購入考えている人に参考になればと思います。

また、今回の各書は 楽天証券[2]から PDF を取得してまとめたものです。公式サイトでは過去分がどこから取得できるかよくわかりませんでした。

目論見書

目論見書とは

何を目標とし、投資対象は何か、分配頻度と金額はどれくらいかということを投資家に説明する書類です。投資家はこの内容を見て、投資すべきか否かを決める必ず見るべきものです。

まぁ、私はしっかり見ていなくてちょっと失敗したと思っていますが。。。さて、この投資信託を見ていきましょう。

ダイワ J-REIT オープン(毎月分配型)の目論見書

  • 目標
    • 東証 REIT 指数(配当込み)に連動する成果を出す
  • 投資対象
    • 日本のリート(不動産投資信託)
  • 配当方針
    • 毎月15日
    • 80円/1万口(2022年時点では60円に減配)

この投資信託は不動産に投資するので、地価の上下が大きな影響を与えそうですので、地価推移を調べてみます。下記は土地白書[3] の地価推移を図1に抜粋します。

図1 令和2年版 地価変動率推移

これを見ると全国的に上昇しているように見えますね。令和3年時には コロナの影響で全国的に下落していますが、購入時が2019年だったので一旦考慮しないとします。

運用報告書

運用報告書とは

投資信託がある期間中にどのように運用したか、どの程度費用が掛かるかを記載したものです。

最低でも以下を見るべきだと思います

  • 基準評価額等の推移
  • 1万口当たりの費用
  • 分配金

年間のコストを利益を見積もって購入によって資産が増えるかを確認すべきです。

分配金が多くても評価基準額が下落傾向であったり費用が高すぎたりした場合、買った方が損となります

ダイワ J-REIT オープン(毎月分配型)の運用報告書

基準評価額等の推移

過去5年の評価基準額等の推移を図2に抜粋します。

図2 過去5年の評価基準額等の推移

ここからわかることは3つですね。

  • (1)ベンチマークよりパフォーマンスがほとんど悪い
  • (2)ベンチマークと連動している
  • (3)基準評価額がずっと減少

(1)はこんなものでしょう。ベンチマークを上回るような凄腕マネージャなんてほぼほぼいないので、上回る投信なんてないものねだりですね。ただ、2017年以降ベンチマークとの乖離が増えているのが気になります。費用(分配金含む)が増えて運用成績が悪くなっているのか、それともよりダメなファンドマネージャになったのか。

(2)はそうならないとこの投信はやべぇとなります。この投信はインデックスファンドなのでベンチマークと連動が MUST です。

(3)は致命的にやべぇ感じです。外的要因で一時的に下落することはあっても下落傾向が続くので、今後上昇する可能性が見込めないのではという見方がで見ます。

1年単位の基準評価額も図3に抜粋します。2020年はコロナ影響が大きいので一旦考慮外とします。

図3 年次基準評価額推移

基準評価額が 平均 -774円/年 で減少していっています。

また、後程見る配当(翌期繰越分配対象額の減少)と(1)、(3)を合わせると、将来性がない投資信託とみることができると思います。

1万口当たりの費用

この投信保有にかかる費用を図4に抜粋します。

図4 保有にかかる費用

この記述では半年分なので×2 の 40円が費用になりますね。

配当金

分配金の中身を図5に抜粋します。

図5 分配原資の内訳

ここからわかるのは以下2つです

  • (1)分配金の大半が当期の利益以外(翌期繰り越し分配対象額 or 私が投資したお金)から出ている
  • (2)翌期繰り越し分配対象が減少傾向

(1)はタコ足配当[4]と呼ばれるものです。当期の利益が平均30円/月なのに、80円/月という2.6倍の配当金を出していることを意味します。(2)にもかかわってきますが、足りない額はどこからか調達しなければなりません。

(2)は今までの利益を食いつぶしていることを意味します。

まとめ

ダイワJ-REITオープン(毎月分配型) は購入してもメリットが資産を増やすという意味ではまったくない投資信託です。

見かけの配当が多く魅力的に見えますが、その実態は投資した金額または翌期繰越分配対象額(過去の遺産)を払い戻しているだけで、保有しているだけで資産が減少します。

参考

[1] ダイワJ-REITオープン(毎月分配型), https://www.daiwa-am.co.jp/funds/detail/3011/detail_top.html

[2] 楽天証券, https://www.rakuten-sec.co.jp/

[3] 土地白書本文 (第1部第1章 令和元年度の不動産市場等の動向) 4p , https://www.mlit.go.jp/statistics/file000006.html

[4] 「毎月分配型」投信が陥る「タコ足分配」で元本目減りのワナ, https://diamond.jp/articles/-/225162

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