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[投資信託]国際債券の比較(23/24)商品比較編 その22

免責事項

この記事は 2022/7/15 時点での内容で記載しています。内容が古い可能性があります。
本記事は個人投資家の勝手な評価ですので絶対に正しいとは言い切れません。

はじめに

国際債券比較の第2回記事です。目的や他の商品は以下を参照ください。

[投資信託]国際債券の比較(1/24)準備編
[投資信託]国際債券の比較(2/24)商品比較編 その1
[投資信託]国際債券の比較(3/24)商品比較編 その2
[投資信託]国際債券の比較(4/24)商品比較編 その3
[投資信託]国際債券の比較(5/24)商品比較編 その4
[投資信託]国際債券の比較(6/24)商品比較編 その5
[投資信託]国際債券の比較(7/24)商品比較編 その6
[投資信託]国際債券の比較(8/24)商品比較編 その7
[投資信託]国際債券の比較(9/24)商品比較編 その8
[投資信託]国際債券の比較(10/24)商品比較編 その9
[投資信託]国際債券の比較(11/24)商品比較編 その10
[投資信託]国際債券の比較(12/24)商品比較編 その11
[投資信託]国際債券の比較(13/24)商品比較編 その12
[投資信託]国際債券の比較(14/24)商品比較編 その13
[投資信託]国際債券の比較(15/24)商品比較編 その14
[投資信託]国際債券の比較(16/24)商品比較編 その15
[投資信託]国際債券の比較(17/24)商品比較編 その16
[投資信託]国際債券の比較(18/24)商品比較編 その17
[投資信託]国際債券の比較(19/24)商品比較編 その18
[投資信託]国際債券の比較(20/24)商品比較編 その19
[投資信託]国際債券の比較(21/24)商品比較編 その20
[投資信託]国際債券の比較(22/24)商品比較編 その21

上記 22回にわたって各国債債券系の評価額推移を調べてきました。その中で発覚した、これは買ってはいけない商品 Top3 を紹介します。

購入してはいけない商品 Top 3

3位 岡三-新興国国債オープン(毎月決算型)

商品特徴

商品の特徴を以下に示します。

  1. 新興国の国債が投資対象
    1. 利回り水準や流動性がよい国債で組み入れ割合は70%とする
    2. ファンダメンタルズが良好あるいはファンダメンタルズの改善が見込める国債で組み入れ割合は30%とする
    3. 1か国の組み入れ割合は最大15%とする
  2. リスク回避で先進国国債も組み入れる場合もあるが、先進国国債の組み入れ割合は最大50%とする

新興国国債オープン(毎月決算型)(愛称 アトラス(毎月決算型))の 月次運用レポートから構成割合[1]を図1 に示します。

図1 新興国国債オープン(毎月決算型)組み入れ状況

多くの国に分散投資していることが判ります。2022年7月時点ではリスク回避は行われていないです。

利回り

利回り -0.71%/年。その他1万口当たりの情報を表2に示します。

年間平均分配金額\624.7
年間評価額増減額\-713
経費率1.41
表1 新興国国債オープン(毎月決算型) 1万口当たりの分配金、評価額増減額

分配金を考慮しても1万口当たり毎年 89円+経費 が資産から減っていきます。

分析

図2 に SBI 証券に記載されている分析数値[2]を表示します。

新興国国債オープン(毎月決算型) SBI 証券の分析指標
図2 新興国国債オープン(毎月決算型) SBI 証券の分析指標

新興国国債オープン(毎月決算型) はアクティブファンドなので、α と IR を見てみます。

α が0より大きいのでベンチマークより運用成績は良いといえます。0.0x とかなり小さい数値なので、ベンチマークとほぼ連動といえます。

短期のIR が 0.5より大きいので、リスクをとった分リターンはよかったといえます。ただし、10年で見ると-0.9と大きく下回っているため、大幅に運用が悪いといえるでしょう。

結論

α から「ベンチマークとの乖離がない」, 長期的IR からは「運用成績はわるい」、短期的には「運用成績はよい」といえます。
ベンチマークとの乖離が少ないので、そもそもこの商品はどれだけ運用成績が良くても下落する商品であるといえます。

2位 日興-世界銀行債券ファンド(毎月分配型)

商品特徴

商品の特徴を以下に示します。

  1. 新興国通貨建て世界銀行が発行する短期債券が投資対象

日興-世界銀行債券ファンド(毎月分配型)の 月次運用レポート通貨構成割合[3]を図3に示します。

世界銀行債券ファンド(毎月分配型)組み入れ通貨割合
図3 世界銀行債券ファンド(毎月分配型)組み入れ通貨割合

利回り

利回り -1.1%/年。その他1万口当たりの情報を表2に示します。

年間平均分配金額\625
年間評価額増減額\-726
経費率1.313
表2 世界銀行債券ファンド(毎月分配型)1万口当たりの分配金、評価額増減額

分配金を考慮しても1万口当たり毎年 101円+経費 が資産から減っていきます。

分析

図4 に SBI 証券に記載されている分析数値[4]を表示します。

世界銀行債券ファンド(毎月分配型) SBI 証券の分析指標
図4 世界銀行債券ファンド(毎月分配型) SBI 証券の分析指標

世界銀行債券ファンド(毎月分配型) はアクティブファンドなので、α と IR を見てみます。

α が0より大きいのでベンチマークより運用成績は良いといえます。0.0x とかなり小さい数値なので、ベンチマークとほぼ連動といえます。

IR が 0.5より大きいので、リスクをとった分リターンはよかったといえます。ただし、10年で見ると-0.5と大きく下回っているため、大幅に運用が悪いといえるでしょう。

結論

α から「ベンチマークとの乖離がない」, 長期的IR からは「運用成績はわるい」、短期的には「運用成績はよい」といえます。
ベンチマークとの乖離が少ないので、そもそもこの商品はどれだけ運用成績が良くても下落する商品であるといえます。

1位 フランクリン-LM・ユーロ毎月分配型ファンド

商品特徴

商品の特徴を以下に示します。

  1. ユーロ建の欧州の国債、政府機関債、国際機関債、事業債、金融債、モーゲージ証券(MBS)、資産担保証券(ABS)に投資します
    1. 原則としてBBB-/Baa3格以上の格付を付与されている債券に投資します
  2. ポートフォリオの平均格付はA-/A3格以上を維持します

LM・ユーロ毎月分配型ファンドの月次運用レポート組み入れ銘柄上位[5]を図5に示します。

LM・ユーロ毎月分配型ファンド上位組み入れ銘柄
図5 LM・ユーロ毎月分配型ファンド上位組み入れ銘柄

利回りを見ると平均0.6%程度となりました。投信へ払う経費を考えるとリターン0.2%程度と考えたほうがよいです。
元本保証であったならばなら購入検討でもよいでしょう。

利回り

利回り -1.8%/年。その他1万口当たりの情報を表3に示します。

年間平均分配金額\469
年間評価額増減額\-735
経費率0.44
表3 LM・ユーロ毎月分配型ファンド1万口当たりの分配金、評価額増減額

分配金を考慮しても1万口当たり毎年 239円+経費 が資産から減っていきます。

分析

図6 に SBI 証券に記載されている分析数値[6]を表示します。

LM・ユーロ毎月分配型ファンドSBI 証券の分析指標
図6 LM・ユーロ毎月分配型ファンドSBI 証券の分析指標

LM・ユーロ毎月分配型ファンド はアクティブファンドなので、α と IR を見てみます。

α が0より小さいのでベンチマークより運用成績は悪いといえます。

IR が 0.5より小さいので、リスクをとっても運用は今一つといえるでしょう。しかし、10年では0.5を超えているので、リターンはよかったのだと思います。

結論

α から「ベンチマークとの乖離がない」, 長期的IR からは「運用成績は悪い」といえます。
ベンチマークとの乖離が少ないので、そもそもこの商品はどれだけ運用成績が良くても下落する商品であるといえます。

用語

  • アルファ(α)
    • 証券の収益率が、どれだけ市場平均(ベンチマーク)の収益率を上回っているのかを示す数値。
    • α値が高いということは、ベンチマークよりも、それだけリターンが大きいことを意味する。
    • プラスなら現在値は割安、マイナスなら割高ということになる。
  • インフォメーションレシオ(IR)
    • アクティブ運用部分の評価に用いられる運用成績を測るための指標のひとつ。
    • ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンとの差(アクティブリターン)の平均値をアクティブリターンの標準偏差(トラッキングエラー)で割って導出される。
    • 数値が大きいほど良く、一般的にこの値が0.5以上であれば優良と評価される。

参考

[1] 新興国国債オープン(毎月決算型)(愛称 アトラス(毎月決算型)) 月次運用レポート 2022年7月12日 現在, https://doc.wam.abic.co.jp/ap02rs/contents/pdf/09311078_m.pdf
[2] 岡三-新興国国債オープン(毎月決算型), https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?s_rflg=1&Param6=209311078&int_fd=fund:psearch:search_result
[3] 日興-世界銀行債券ファンド(毎月分配型) マンスリーレポート 022年7月29日現在, https://doc.wam.abic.co.jp/ap02rs/contents/pdf/02313076_m.pdf
[4] 日興-世界銀行債券ファンド(毎月分配型), https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?s_rflg=1&Param6=202313076&int_fd=fund:psearch:search_result#maintab
[5] LM・ユーロ毎月分配型ファンド マンスリー・レポート 2022年7月19日現在, https://www.franklintempleton.co.jp/products/LM_530010_M_20220719.pdf
[6] フランクリン-フランクリン・テンプルトン・ユーロ毎月分配型ファンド, https://site0.sbisec.co.jp/marble/fund/detail/achievement.do?s_rflg=1&Param6=253311026&int_fd=fund:psearch:search_result#maintab

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